親世帯の70%が帰省費用を負担している? 親世帯の負担額の現状
混雑や感染症のリスクを避けるため、時期をずらした帰省を計画している方もいるのではないでしょうか。その際、悩みの種になりやすいのが帰省費用の負担です。「親世帯が負担するのが当然」と考える子ども世帯も少なくないようですが、親世代にとっては大きな重荷になっている場合もあります。   この記事では調査データをもとに、親世帯が負担している具体的な金額や、子ども世帯が親の負担を減らすためにできる工夫について解説します。

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親世帯の70%が帰省費用を負担している現状

株式会社ハルメクの調査では、親が帰省費用を全額負担している家庭が17.9%、一部を負担している家庭も33.3%にのぼり、約70%の子ども世帯が親からいくらかの援助を受けていることが分かっています。一方で、全額を子ども世帯が負担している家庭は22.8%でした。
 
親が費用を負担する背景には「帰省時くらいは負担をかけたくない」「楽しい時間を過ごしてほしい」という思いがあるようです。具体的な負担項目は「滞在中の食費」に42.8%、「滞在中のレジャー費」に19.7%、「滞在中のショッピング費」に17.1%となっており、子ども世帯に充実した時間を過ごしてほしい親心が強く表れているといえるでしょう。
 

親世帯が負担している金額はどれくらい?

親世帯が負担している金額を詳しく見ると、1回の帰省につき「1万円以上~3万円未満」が39.8%と最も多く、次いで「1万円未満」が22.9%、「3万円以上~5万円未満」が19.3%となっています。株式会社あおぞら銀行が2020年に行った調査では、親が負担する交通費の平均額が3万4600円にのぼり、2014年の調査開始以来の過去最高額となりました。
 
子ども世帯の中には「親が費用を出してくれないなら帰省を控えたい」という声もあります。実際に、親が費用を負担できなかったために帰省を短期間にとどめたケースがあるようです。
 
親世帯が年金暮らしに入ると、帰省費用の負担が老後資金や将来の介護費用に影響を及ぼす可能性が高くなります。親が現役時代だったころと同じ感覚で負担をかけ続けるのではなく、親子で話し合い、無理のない負担バランスを見つけることが大切です。
 

親世帯の負担を減らすための工夫