「定年後は働かずゆっくり過ごす」と友人に言ったら驚かれました。定年退職後も働く人は多いのでしょうか?
定年退職後の暮らしをどうするかは人によって異なりますが、中には、定年後は働かずにゆっくり過ごしたいと考えている方もいるでしょう。しかし老後生活にはお金がかかるため、仕事を続ける方も多いようです。定年後に働かないことを友人に話すと、驚かれるかもしれません。   そこで今回は、定年退職後も働く人は多いのかについて調べてみました。高齢者が働く理由についてもご紹介しますので、参考にしてください。

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定年退職後も働く人は多い?

内閣府の「令和6年版高齢社会白書(概要版)」によると、高齢者の就業者数や就業率は上昇傾向にあるとのことです。65歳以上の就業者数については、20年連続で前年を上回っていて、年代別の就業率については以下の通りです。

・65~69歳:52.0%
 
・70~74歳:34.0%
 
・75歳以上:11.4%

同調査から、定年退職後の65~69歳では、半数以上の方が何らかの仕事に就いていると考えられます。2013年では65~69歳の就業率は38.7%であったことから、10年間で13.3ポイント増えていることが分かります。定年退職後に誰もが「働かずゆっくり過ごす」わけではないようです。
 

老後も働く理由は……生活費が足りなくなる!?

高齢者の就業率が上昇している理由として、生活費が足りなくなることが考えられます。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職世帯の家計収支は赤字であるとのことです。単身世帯と夫婦のみの世帯における家計収支の不足分は以下の通りです。

・高齢単身無職世帯:3万768円
 
・夫婦高齢者無職世帯:3万7916円

これらの不足分は基本的に貯金を崩してまかなうと考えられますが、十分な貯蓄がなければ老後の生活ではお金が足りなくなり、何らかの方法で収入を得る必要が生じます。
 

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