奨学金を返還中の息子が事故で働けなくなった場合、療養期間中は奨学金の返還は待ってもらえるのでしょうか?
病気や事故で働けなくなり奨学金の返還が難しい場合、奨学金提供団体では、奨学金返還に猶予を設ける制度を用意しています。本記事では「奨学金返還猶予制度」の概要や申請方法について解説します。また、申請する際の注意点についても触れます。

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奨学金返還猶予制度の概要

奨学金返還猶予制度とは、経済的な困難や特定の理由により奨学金の返還が一時的に困難な場合に、返還を一定期間待ってもらえる制度のことです。
 
この制度は、主に日本学生支援機構(JASSO)や地方自治体、民間団体が提供する奨学金で利用できます。返還猶予を受けることで、返還負担を軽減し、経済的な余裕を持って生活や学業、就業に専念できるようになります。
 
対象となる主な理由は、失業や減収など、収入が一定の基準以下になった場合、長期間の治療や療養が必要な場合、自然災害や事故などで経済的負担が増した場合などです。
 
猶予期間中は返還が一時的にストップしますが、その期間に応じた利息(無利子奨学金の場合はなし)が発生する場合があります。特に有利子奨学金の場合、猶予期間中でも利息が加算されることが多いため、詳細な条件を確認することが重要です。
 

奨学金返還猶予制度の申請方法

奨学金返還猶予制度の申請は、各奨学金提供団体に直接申し込むことが基本です。
 
まずは、奨学金提供団体の公式Webサイトや窓口から、必要な申請書類を入手します。日本学生支援機構の場合は専用の「奨学金返還期限猶予願」が公式サイトからダウンロードできます。
 
申請には、猶予の理由を証明する書類が必要です。例えば、収入が減少している場合は所得証明書、失業中の場合は雇用保険受給資格者証、傷病中の場合は医師の診断書などが求められます。
 
申請書には、奨学生番号、猶予を申請する理由、希望する猶予期間などを正確に記入します。書類の不備で申請が却下されることもあるため、注意が必要です。
 
書類を準備したら、指定された方法(郵送やオンライン提出など)で送付します。提出期限が設けられていることが多いため、早めの手続きを心がけましょう。
 
提出後、審査が済み次第結果が通知されます。承認されれば、通知書に記載された期間中、返還が一時的に猶予されます。
 

奨学金返還猶予制度と減額返還制度の違い