
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
高額療養費制度とは?見直しの背景と目的
高額療養費制度は、医療費の自己負担が家計に過度な負担とならないよう、1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合に、その超過分が支給される仕組みです。この制度により、多くの方が安心して医療サービスを受けることができています。
しかし、近年の高齢化や高額な薬剤の普及に伴い、高額療養費の総額が年々増加しており、その結果、現役世代を中心とした保険料の負担も増加しており、制度の持続可能性が課題となっています。
このため、セーフティネットとしての役割を維持しつつ、全世代の被保険者の保険料負担を軽減する観点から、制度の見直しが行われることとなりました。
65歳では自己負担額はどれくらい増えるのか?
今回の見直しでは、所得区分ごとに自己負担限度額が引き上げられます。ひと月の自己負担額を決める所得区分は細かく設定されており、ここでは65歳の「年収約370万~510万円」と「年収約510万~650万円」のケースを表1~表4にてご紹介します。
(1)年収約370~510万円のケース
表1
期間 | 自己負担額の計算式 |
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現行 | 8万100円+(医療費-26万7000円)×1% |
令和7年8月~ | 8万8200円+(医療費-29万4000円)×1% |
出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度の見直しについて」を基に筆者作成
表2 医療費が100万円かかった場合の自己負担額:
期間 | 自己負担額の上限 |
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現行 | 8万7430円 |
令和7年8月~ | 9万5260円 |