週休3日制は、従業員と企業の双方にとって、メリットとデメリットが複雑に絡み合う制度だと考えられます。
 
従業員にとって最大のメリットは、ワークライフバランスの大幅な改善といえるでしょう。プライベートの時間が増えることで、趣味や自己研さん、家族との時間など、仕事以外の活動に費やす時間が増え、生活の質の向上につながる可能性があります。
 
しかし、メリットばかりではありません。週の総労働時間を維持するタイプの週休3日制では、1日の労働時間が長くなり、かえって負担が増加する可能性もあります。集中力の低下や疲労蓄積による健康への悪影響も懸念されるでしょう。
 
また、労働時間の減少に伴い、給与が減額されるケースも少なくありません。生活水準の維持が難しくなり、モチベーション低下につながる可能性も考慮すべき点です。
 
また、全ての業務が週休3日制に対応できるわけではなく、特に顧客対応や緊急性の高い業務では、特別な体制の構築や人員配置などを工夫する必要がでてくることもあるでしょう。そのため、業務プロセスの見直しやデジタル技術の活用による効率化が不可欠だと考えられます。
 

「週休3日制」はまだ少数

週休3日制の導入企業は増加傾向にあるものの、日本ではまだまだ少数派です。社員数300人以上の企業を中心に導入が進んでいる一方、300人以下の企業では人的資源の制約などから導入が難しい可能性があるでしょう。労働者にとっても、ワークライフバランスの向上などが期待できる一方、負担増加や生産性向上の難しさといった課題も存在します。
 
このように、週休3日制はメリット・デメリットが重層的に入り組んでいます。それぞれを踏まえた上で自分のキャリアプランやライフスタイルと照らし合わせて、最適な働き方を考えてみてはいかがでしょうか。
 

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