大学の卒業祝いに、親が「中古のランクル」をプレゼント! でも事故ですぐ「廃車」になった場合、贈与税は支払い不要? 贈与は“なかったこと”にならないの?
「大学卒業」を子育ての集大成と考える親御さんは多いことでしょう。その機会に盛大なお祝いを準備する人もいるかもしれませんね。   本記事では、大学卒業のお祝いに、親から子へ車をプレゼントしたケースを取り上げます。中古車であっても数百万円の車をプレゼントする行為に対しては「贈与税」が心配になるところですが、すぐに廃車になってしまった場合、贈与税の取り扱いはどうなるのでしょうか。解説します。

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そもそも「贈与税」ってどんな税金?

贈与税とは、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金で、財産を受け取った人に課されます。つまり、本記事のケースでは、中古のランドクルーザー(トヨタ)を受け取った子どもに対して課されるということです。
 
ちなみに、贈与税に年齢制限はありません。子どもが未成年であろうと、0歳であろうと、「個人から贈与により財産を取得したとき」には贈与税がかかります。
 
しかし、個人から贈与により財産を取得する、平たく言えば「プレゼントしてもらう」という機会は、人生においてたくさんあるでしょう。特に親子間であればなおさらです。その都度、贈与税の申告をしている人はいないのではないでしょうか。
 
なぜなら、贈与税には「贈与税のかからない財産」と「年間110万円の基礎控除」が設けられているからです。
 
贈与税のかからない財産とは、その財産の性質や贈与の目的などから見て、贈与税の対象外になっている財産のことで、その中の一つに「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」があります。大学の卒業祝いはこれに該当するでしょう。
 
ただし、「社会通念上相当と認められるもの」という記載に注意しなければなりません。つまり、「常識的に考えてお祝いで渡すものとして妥当と思われる品、金額」という意味です。300万円の中古のランクルは、常識的な範囲を超えた金額と見なされると考えられ、贈与税のかからない財産として認められる可能性は低いでしょう。
 
ただ、贈与には「年間110万円の基礎控除」が認められており、これはすべての贈与に対して適用されるので、300万円のランクルの贈与であっても問題なく差し引くことができます。
 

300万円の中古のランクルにかかる贈与税は19万円