
▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
そもそも「レゴ投資」とは
LEGOの公式サイトによれば、LEGO社は1932年にオーレ・カーク・クリスチャンセン氏によって設立され、現在の形のレゴブロックは 1958年に発売されました。以来、さまざまな商品を打ち出して、現在に至るまで世界中で愛され続けるロングランのおもちゃになっています。
レゴは、スタンダードなブロックだけでなく、人気の映画やゲームなどを題材としたブロックのセットも販売されています。新品で、なおかつレアな限定品にはオークションなどで高値がつくことも珍しくありません。さらに、その限定品が廃盤となって入手が困難な状況になれば、元の値段の数十倍になることもあります。この特徴を活用したものが「レゴ投資」というわけです。
レゴ投資の基本スタンスは、一般的に売られているブロックではなく「限定品」を幅広く複数購入し、保存状態をしっかりと管理したうえで、値上がりするまでじっと待つ、というものになります。日々の売り買いをせわしなく行う必要はありませんので、投資家が趣味の一環のような形で行うのであれば、取り組みやすいと言えるでしょう。
「レゴ投資」の利回りやリスクは?
それでは「レゴ投資」の成功例では、どれくらいの利回りが実現できたのでしょうか。
やや古い話になりますが、2007年に発売当時、8万円(実勢価格)で販売されていた映画「スター・ウォーズ」に登場する宇宙船である「ミレニアム・ファルコン」のレゴブロックは、2015年現在で100万円以上の価格がついたという報道がありました。8年間で13倍の値上がりとすると、年利回りは実に約38%ということになります。
現在でもヤフーオークションを検索してみると、執筆当時(2025年2月中旬)から過去180日間に落札されたレゴの最高値商品は「レゴ 10190 マーケットストリート 新品未開封 FACTORY モジュラービルディング」で、32万6000円となっていました。これは2007年に発売され、現在は廃盤となっているものですが、現在の「モジュラービルディング」の販売価格が1万円~3万円程度であることを考えると、18年間で10倍から30倍の値段に高騰したと考えられます。
また、ロシア国立研究大学経済高等学院が2018年12月に発表した調査によれば、「レゴへの投資は、大型株、債券、金、代替投資を上回り、1987年から2015年のサンプル期間で少なくとも11%(実質8%)の平均収益を生み出している」とされています。
このような情報を並べてみると「レゴ投資」は非常に魅力的に見えてきますが、購入した商品の価格が思うように上昇しなかった場合は、大量の「不良在庫」を抱えてしまうことが大きなリスクです。電子化できる債権や株券などと違い、レゴ投資はどうしても「現物」を手元に抱える必要があるため、適切に長期間レゴを保管するスペースを確保することが重要になってきます。
それに加え、いつ、どの商品が値上がりするかを予測することは困難である以上、レゴ投資で安定的な利回りを達成しようとするなら、次々発売される限定商品を可能な限り幅広く、できれば大量に購入することになります。後日の価格高騰が狙えそうな限定品は販売時点でも商品価格が数万円はしますので、真剣にレゴ投資をするのであれば、毎年数百万円分のレゴを購入することになってしまうでしょう。
十分な投資資金と、大量のレゴの長期保管場所、加えて定期的に高値でレゴを取引できる相手先を用意できない場合は、「レゴ投資」で確実にもうけを出すことは難しいと言えそうです。