3月末でパートを退職! 会社に「有休を全部消化して辞めたい」と伝えたら、「制度的に全部の消化はできない」とのこと。買い取りも難しいの? 仕組みを解説
退職時に年次有給休暇(有休)が残っていると「全部使ってしまわないと損だ」と感じる人もいると思います。「休みも取らずに一生懸命働いてきたのだから、退職する前くらい有休を取ってもいいよね」と考える人も少なくないと思います。   しかし退職日が決まっている場合、残っている有休全ての消化ができない可能性もあります。   本記事では、年次有給休暇の仕組みと取得可能な日について説明します。

▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できるの?

有休が使える日・使えない日

有休は、使用できる日とできない日があります。有休を使えない日とは、どのような日でしょうか。そもそも有休とはどんな制度なのでしょうか。
 

年次有給休暇とは

年次有給休暇(有休)は、労働基準法第39条に定められた休暇で、「6ヶ月間継続勤務し」「所定労働日の8割以上出勤した」といった要件を満たした労働者に付与されるものです。労働者は「この日に休みます」と有休の取得時期を指定することで、会社が時期変更権を行使しない限り、その日の労働が免除されます。
 
雇用契約により、会社は「労務の提供を受ける権利と賃金を支払う義務」を、従業員は「労務を提供する義務と賃金を受ける権利」を、それぞれ持っています。
 
年次有給休暇を取得した日については、従業員側の「労務提供の義務」が免除され、従業員は「賃金を受ける権利」だけを享受できるのです。
 

有休が取れるのは要勤務日

有休を取得できるのは、要勤務日のみです。したがって、所定労働日が少ないパート従業員の場合、有休を取得できる日がある程度限定されます。労働義務のない日、つまり、もともと休みの日には、年次有給休暇を取得する余地がないためです。
 

退職までに消化できる有休は何日?

では例として、現在が3月1日である場合、パート勤務の人が3月末日までに消化できる有休は何日分でしょうか?
 

週3日勤務の場合