
▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
退職金2500万円にかかる税金は?
まず、退職金にかかる税金を計算してみましょう。退職金は、通常の所得とは別に「分離課税」として所得税や住民税が課税されます。ただし、所得から控除される「退職所得控除」が大きく、税負担は比較的軽いのが特徴です。
実際の税金は、まず「退職金の金額-退職所得控除額」の計算式から「退職所得」を算出し、その退職所得の2分の1に税率をかけて算出します。
そのため、退職所得控除が大きいほど税金は少なくなりますが、ポイントになるのが「勤続年数」です。実は図表1のとおり、勤続20年を境に退職所得控除の計算式が変わり、20年を超えた勤続年数が長いほど有利になります。
図表1
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
今回のように勤続30年の場合は、退職控除額は「800万円+70万円×(30年-20年)」の計算で1500万円です。
そのため、退職所得は「(2500万円-1500万円)×2分の1」となり、500万円と算定されます。次に、所得税は、図表2のとおり退職所得の金額に応じて税率や税額控除が定められています。住民税の税率は一律10%です。
図表2
国税庁 別紙 退職所得の源泉徴収税額の速算表
そのため、勤続30年、退職金2500万円であれば、復興特別所得税も含めた所得税は(500万円×20%-42万7500円)×102.1%の計算から58万4522円になります。
さらに住民税は500万円の10%で50万円となり、税負担の総額は108万4522円です。つまり、最終的には2400万円程度が手元に残ることになります。