居酒屋にある「3000円」(税込み)のコース。消費税が割り切れないけど、問題ない?
居酒屋などで見かける「3000円(税込み)コース」。消費者にとっては分かりやすい金額設定ですが、消費税率の10%を考慮すると税抜きの価格は2727.2727……円となり、きれいな数字になりません。   今回は、この端数処理に問題はないのか、飲食店はどのようにこの価格を設定しているのかについてまとめました。

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「税込価格」を設定する際の端数処理に関する規定はない

財務省によると、「税込価格」を設定する際の端数の処理方法はそれぞれの事業者の判断に委ねられています。つまり、切り捨て、切り上げ、四捨五入のいずれの方法を選択しても、問題はありません。
 
ただし、インボイス制度の導入に伴って2023年10月1日以降は消費税額の計算方法に一定のルールが設けられました。国税庁によると、「適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要」があるとされています。
 
商品ごとに消費税額を計算し、それぞれで1円未満の端数処理を行ってその合計額を消費税額等として記載することは認められません。
 

総額表示の義務とは

2021年4月1日より、飲食店を含む全ての課税事業者は消費税を含めた総額表示(内税)が義務付けられています。「3000円(税込み)」というコース料金は、この総額表示の一例です。
 
「3000円(税込み)」コースの場合、消費税額は272.727……円となり、割り切れません。切り捨てでは272円、四捨五入および切り上げすれば273円です。
 
1円未満の端数が発生し、処理の仕方による消費税額の違いがあっても、総額表示義務によって、最終的な販売価格が合っていれば問題はないといえます。
 

端数処理が与える店側への影響