小中高の教員と大学の教授では、年収はどれだけ異なる? 教授は公務員なの?
教育現場で働く教員の年収の違いの要因は、担当する教育段階や勤務先の種類です。   小学校・中学校・高等学校の教員と大学教授の間では、給与体系や公務員としての扱いにも違いがあります。本記事では、これらの違いを詳しく解説し、大学教授になるための道筋についてもご紹介します。

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大学教授は公務員ではない

一般的に、大学教授は公務員ではありません。しかし、国立大学法人や公立大学法人に勤務する教授は、それぞれ国家公務員や地方公務員の待遇として扱われています。
 

小中高の教員の年収はどれくらいか

小中学校、高等学校の教員の年収は、学校の設置者(国立・公立・私立)や地域、経験年数によって異なります。表1に、文部科学省の令和4年度学校教員統計調査と厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査を基にした平均年収を示します。
 
表1

教員区分 平均月収 平均年収 平均賞与
小学校教員 約32.2万円 約537.1万円 約150.7万円
中学校教員 約33.4万円 約551.5万円 約150.7万円
高等学校教員 約35.3万円 約590.8万円 約167.2万円

令和4年度学校教員統計調査/賃金構造基本統計調査より筆者作成
 
表1の月給は、基本給に諸手当を含めたものです。また、年齢や経験年数、役職によって年収は変動するものです。例えば、20代の教員の年収は350万円から450万円程度ですが、50代になると700万円から800万円以上になることもあります。
 

大学教授の年収はどれくらいか

大学教授の年収は、大学の種類(国立・公立・私立)や専門分野、役職、経験年数などによって大きく異なります。また、一般的に大学の規模が大きくなるほど給与が高くなる傾向があります。
 
ただし、教授になるまでに助教、講師、准教授というようにステップを踏む必要があるため、教授職に就くまでに長い時間が必要となるケースが多いです。
 
文部科学省が実施した令和4年度学校教員統計調査によると、国立大学法人に所属する教授の平均月収は約55.7万円です。国立大学に絞ると約53.4万円、公立大学は約53.7万円、私立大学は約57.0万円となっています。
 
また、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、教授職の年間ボーナスは約275.1万円で、これらを合計した平均年収は943.5万円でした。
 
公立大学や私立大学の教授の場合、これより高い場合もありますが、大学の規模や財政状況によって差があります。また、支給される研究費や兼業収入(講演や執筆活動など)を収入として含むかどうかでも年収は変動します。
 

大学教授の給与体系は会社員とは違う