年代別の退職金の相場とは。「勤続年数3年未満」だと出ない場合もあるって本当?
退職金は、長年の勤務に対する労いとして支給されることが一般的ですが、勤続年数や企業の規定によって大きく異なります。年代別の退職金の相場や短期間の勤務でも受け取れるのか気になる人もいるでしょう。この記事では、退職金の実態を解説します。

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民間企業の退職金の平均相場は

厚生労働省が公表した「令和5年就労条件総合調査概況」によると、民間企業における勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者を対象とした調査では、退職金の平均額は表1の通りです。
 
表1

退職事由 大学・大学院卒 高校卒
定年 1896万円 1682万円
会社都合 1736万円 1385万円
自己都合 1441万円 1280万円
早期優遇 2266万円 2432万円

厚生労働省「令和5年就労条件総合調査概況」退職者1人平均退職給付額(勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の退職者)を基に筆者作成
 
退職理由によって支給額には大きな差があります。自己都合退職の場合は定年退職よりも金額が低くなる傾向にあります。一方、早期退職優遇制度を利用した場合は、定年退職を上回る金額が支給されることも特徴的です。
 

中小企業の退職金事情:年代・学歴・退職理由による差

産業労働局が公表している「中小企業の賃金・退職金事情」によると、学校卒業後すぐに入社し、一般的な能力と成績で勤務した場合のモデル退職金は表2の通りです。
 
表2

年代 自己都合 会社都合
20代 高校卒:90.7万円 高校卒:122.3万円
30代 高校卒: 170.5~272.9万円
大学卒:112.1~212.9万円
高校卒:214.8~328.4万円
大学卒:149.8~265.8万円
40代 高校卒:397.1~532.5万円
大学卒:343.1~490.6万円
高校卒:465.6~604.6万円
大学卒:414.7~578.2万円
50代 大学卒:653.6万円 大学卒:754.2万円