どれだけ長い期間事実婚の状態を続けていても、配偶者が死亡した場合に法定相続人となることはできないため、被相続人の財産を当然に承継することはできません。どうしてもパートナーに財産を残したい場合には、遺言書による遺贈や生前贈与などを計画的に進めることが必要となります。
また、配偶者控除、配偶者の税額軽減など税法上の優遇措置も基本的には受けることができません。
ちなみに、借地借家法では居住用建物の賃借人が相続人なくして死亡した場合、事実婚であった同居者は賃借人の地位を承継するとされているため、パートナーは住み続けることができる場合があります。
まとめ
事実婚を語るうえでは、同性カップルについての議論があります。最近では同性婚を認めないことは憲法に反するとの判決や、自治体ごとのパートナーシップ制度の施行などが話題となっています。夫婦という形が多様化していくなかで、法律上の戸籍の在り方も問われているような気がします。事実婚の場合には、たとえ2人が別れたとしても戸籍には何ら履歴が残ることはありません。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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