
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
定年後もNISAを続けるメリット
NISAは、少額からの投資を行う人のために2014年1月にスタートした「少額投資非課税制度」です。NISAのメリットとして、株式や投資信託などで得た運用益には通常発生する税金が、NISAでは非課税になるという点が挙げられます。
通常の投資口座では、売却益や配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISAなら非課税です。特に、長期的に運用を考えている場合、この恩恵は大きいでしょう。
定年後の資産運用では、なるべく税負担を抑えることが重要です。また、年金だけでギリギリ生活できるとしても、物価が上がるリスクは無視できません。インフレが進めば、今の16万円では生活が苦しくなる可能性があります。NISAを活用して運用を続けることで、将来の生活費の補填(ほてん)につなげられることもあるでしょう。
毎月の年金と支出が同程度の場合、突発的な費用負担が発生すれば貯蓄は取り崩す一方になります。NISAを活用して運用することで、資産を少しでも増やす、または目減りを抑えることができるかもしれません。
定年後・年金生活ならではのNISAを続ける注意点
NISAのメリットは大きいものの、定年後の運用にはリスク管理などの注意点があります。
年金収入だけで生活費がほぼ賄える場合でも、急な出費が必要になることもあるでしょう。医療費や介護費用など、将来の予測不能な支出に備え、無理のない範囲でNISAを活用することが大切です。
現役時代なら、リスクの高い株式投資で大きなリターンを狙うのも1つの戦略ですが、定年後は慎重に考えるべきです。値動きの激しい個別株ではなく、安定した配当のある株式や債券、バランス型の投資信託などを選ぶのがよいでしょう。
NISA制度は、今後変更される可能性も否定できません。実際、2014年に一般NISAが開始された以後、新たなNISAの開始や、制度の変更がなされています。定年後でも使いやすい制度になっているかどうか、変更される都度、制度の仕組みを理解しておきましょう。