●母親の通院費が毎月2万円
●母親の薬代が毎月1万円
●自身の入院費が50万円
●自身の薬代が1万円
●保険による支給が30万円
離れて暮らす母親の「通院費」や「治療費」を私が支払っています。同居していないときは「医療費控除」の対象外でしょうか?
まず、母親の医療費は「2万円×12ヶ月+1万円×12ヶ月」で合計36万円です。自身の医療費と合算すると、医療費合計は87万円になります。医療費控除は保険による支給金と10万円を引いた金額のため、「87万円-30万円-10万円」で47万円が控除の対象です。
ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の方の場合は、10万円の代わりに総所得金額等の5%を差し引きます。もし総所得金額等が150万円の方の場合、医療費控除を計算する際に使用する金額は7万5000円です。
必要なお金であれば親側にも贈与税はかからない
親族へお金を渡すとき、課税対象にならないようチェックしておきたい項目が贈与税です。国税庁によると、扶養義務者から治療費などの生活のためのお金を必要になるたびに渡した場合に関しては、贈与税はかかりません。例えば、親が通院費用が必要になり、通院のたびに子どもから送金してもらっている場合は非課税です。
しかし、送金したお金を親が通院費に使わず、貯金したり株式に使ったりするとその金額分は課税対象になります。贈与税は受け取った側が支払うため、結果として親側の税金負担が増えることになるでしょう。
医療費を送金する際は、必ず親に「医療費として使う」ことを伝えることが大切です。
同居していなくても生計を一にしているなら医療費控除の対象
医療費控除は、本人でなくても本人と生計を一にする親族であれば対象になります。遠方に住んでいる場合も同様で、本人が親の生活費や治療費を支援しており、定期的に会っていれば生計を一にしているとみなされ、親の医療費も本人の医療費控除の対象です。
なお、医療費控除の計算にあたって、保険金などの支給分を引くことを忘れないようにしましょう。また、総所得金額等が200万円未満のときは差し引く金額が変動します。
なお、親に送金する形で支援をするときは、医療費や生活費以外の目的で使わないよう伝えておきましょう。もし送金したお金を親が貯金などに回すと、その金額分の贈与税が親に課される可能性があります。