などのうたい文句で説得したようです。定期預金の金利キャンペーンという、いかにも実在する商品らしい説明なので、真に受けた顧客も多かったと思われます。
 
この大手銀行では、その後、被害防止のため、キャンペーンは現在のもの過去のものを問わずすべてホームページに掲載し、顧客が本当に実在するキャンペーンであるかを自分で把握できるようにしています。
 
つい最近、筆者の知人がこの銀行から有利なキャンペーンを勧められたので、ホームページで実在のキャンペーンか確認するようアドバイスしました。確かにホームページに掲載されていたので、知人も筆者も安心できました。
 

実在の金融商品でもハイリスクなものがある

ここまでは架空の金融商品詐欺について説明してきました。しかし、実際に存在する金融商品でもリスクの高いものはいろいろとあります。
 
金融庁では、代表的なリスク性金融商品について、顧客本位の業務運営になっているか分析を行っています。金融庁が金融機関に対して改善を求めた金融商品の事例をいくつか紹介します。
 

・外貨建一時払い保険

顧客から受け取る一時払い保険料を、ドルなどの外貨で運用する保険です。約2割の顧客で、知識・投資経験不足の懸念や投資方針との不一致の懸念がありました。投資信託と比べて運用パフォーマンスが劣後する傾向もあるとされています。
 
購入後4年間という短期間での解約が6割に上り、解約した顧客に再び同様の商品を販売して手数料を得ているケースが多発しているとして、金融庁が金融機関に改善を求めています。
 

・仕組預金

デリバティブ取引を組み込んだ預金商品です。為替相場によって払戻時の通貨が決まる商品や、銀行が預入日以降に満期日を選択できる権利を持つ商品などがあります。
 
顧客に対して、コストやリスクを十分に情報提供していない、といった問題があります。顧客が受け取った償還金のトータルリターン(年率換算)がマイナスの事例も多数見られます。