続いて大企業と中小企業の業種別の年収差を比較してみましょう。「卸売業・小売業」「電気・ガス・熱供給・水道業」「金融業・保険業」の3業種の平均年収をまとめたものが図表2です。
 
図表2

大企業
(1000人以上)
中小企業
(100~999人以下)
中小企業
(10~99人以下)
卸売業・小売業 約507万円 約520万円 約438万円
電気・ガス・熱供給・水道業 約734万円 約603万円 約573万円
金融業・保険業 約670万円 約619万円 約668万円

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 より筆者作成
 
必ずしも大企業のほうが中小企業よりも年収が高いわけではないですが、基本的には大手企業の年収のほうが中小企業よりも多いといえるでしょう。
 

大企業と中小企業それぞれのメリットとは?

大企業のほうが中小企業よりも年収が高いケースが多いというメリットが挙げられますが、大企業と中小企業それぞれでメリットがあると考えられます。

大企業で働くメリット

●年収が比較的高い
●福利厚生が充実している
●研修制度が整っている

中小企業で働くメリット

●経験できる仕事量が多い
●個人の裁量が大きい
●転勤が少ない

大企業の場合、今回紹介したように年収が比較的高く、ネームバリューがあるため社会的信用が得られやすいというメリットがあります。また、福利厚生や研修制度などが充実しており、長く働きやすい環境があるといえるでしょう。
 
一方、中小企業は個人の裁量でさまざまな仕事ができるというのが魅力です。大企業の場合は業務内容が細分化されている場合がありますが、中小企業の場合はたくさんの業務に携われるためスキルアップが目指せるというメリットがあります。また、転勤が少ないため、同じ場所で長く働きたいという人にも向いているといえるでしょう。
 

大企業と中小企業では男女平均で約140万円の年収差がある