そもそも、ヘパリン類似物質が含まれる保湿剤は、本当にハンドクリーム・美容クリームの代わりになるのでしょうか?
ヘパリン類似物質の効果は、以下のとおりです。
・アトピー性皮膚炎における正常発汗を促す
・皮膚の血行促進
・炎症を沈める
「皮膚の水分保持能力を高めることで乾燥を防ぐ」という効果をそのまま「保湿力が高い」と捉えるのは安易な考えで、「保湿性自体はおまけみたいなもので、優れた保湿剤ではない」という医師もいます。皮膚が潤っているときに塗るものであって、乾いた手肌に塗るものではありません。
ヘパリン類似物質の利用を続けると、以下の副作用が出ることがあります。
・皮膚炎
・そう痒(発疹や湿疹がないのに、かゆみが出る)
・発赤(紅斑ができること)
・発疹(赤み、ぶつぶつ、水ぶくれができること)
・潮紅(循環血流の増加による充血)
・過敏症
・皮膚刺激感
・紫斑
ヘパリン類似物質を含む保湿剤は、ほかの外用薬と比較しても低刺激で、副作用が少ないとされています。しかし、まったく副作用がないわけではありません。「皮膚の血行がよくなりすぎて赤ら顔になった」という笑えない結果になる可能性もあります。
たとえリスクが低くても、ハンドクリーム・美容クリームの代わりとして使うには適切ではないでしょう。
まとめ
子どもに処方された薬剤を、「ついでに自分にも塗る」程度で処方の数を増やしているわけではないのなら、医療財政は圧迫されていないので「子どもの医療費無料制度を悪用している」とまではいえません。
しかし、疾患の出ていない箇所に、自身に処方されたわけではない医薬品を利用することは、やはり問題があります。医薬品には副作用がありますから、安易に利用するのは控えましょう。ヘパリン類似物質が医薬品と同等の割合で含まれた市販品もあるので、そちらを使うのがよいですね。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー