高2の保護者です。「奨学金」の申込時に「利率の算定方式」を選択しなければならないようですが、どのように選べばいいですか?
日本学生支援機構の奨学金は、高校3年次の春に申し込みができます(予約採用)。その際、貸与金額や保証制度、利率の算定方法などについて選択する必要があります。   利率の算定方式には2つありますが、どちらを選んだらよいのか選択に迷う保護は少なくありません。2つの方式と選び方をアドバイスします。

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奨学金の返還方式と利率の算定方法

無利子の第一種奨学金は、毎月一定額を返還する「定額返還方式」または、原則前年の所得に応じて毎月の返還額が決まる「所得連動返還方式」のいずれか1つを申込時に選択します。有利子の第二種奨学金は、「定額返還方式」のみです。
 
第二種奨学金の「定額返還方式」の利率の算定方法には、(1)利率固定方式、 (2)利率見直し方式があり、いずれか一方を申し込む際に選択します。利率固定方式は決定された利率・毎月の返済額が、返還完了まで適用されます。
 
利率見直し方式は、決定された利率がおおむね5年ごとに見直され、毎月の返済額が5年ごとに増減します。どちらの利率も卒業などの貸与終了時に決定します。
 

どちらの利率の算定方法を選んだほうがいいか

申込時に、利率の算定方式を選択しなければなりません。利率は申込時ではなく、卒業時に決まりますので、申込時に算定方法を選べといわれても困ります。しかし、貸与期間が終了する年度の一定時期まで変更できますので、そのときの経済状況をみて最終的に判断できますので安心してください。
 
申込時に選択した利率の算定方式を変更する場合、卒業年次になったら早めに奨学金の窓口でいつまでに変更すればよいか期限を確認しておきましょう。
 
ちなみに、2024年3月に貸与が終了した人の第二種奨学金の貸与利率は、固定利率方式が0.940%で、利率見直し方式が0.400%と、利率見直し方式のほうが低いです。
 
2013年度以降の利率は1%より低い状況が続いてきましたが、2024年4月以降、固定利率方式は1%を超え、利率は上昇傾向にあります。ただし、利率は3%を超えることはルール上ありません。
 
金利上昇時には固定利率方式を選択するのがセオリーです。迷ったら、返還計画が立てやすい固定利率方式がよいでしょう。ただし、年齢や経験年数に応じて給料が上がっていく、また各種手当が充実している公務員や企業などの場合は、利率見直し方式(上限利率3%)を選択してもリスクは少ないでしょう。
 
たとえば、利率見直し方式を選択した場合、固定利率方式よりも利率の低いときにお金を貯めて一部繰上げ返還をすれば、返還期間を短くできますので利息の軽減にもなります。また、機関保証を利用した方は返還完了時に保証料の一部が戻ってくる可能性もあります。
 

返還が難しくなったときの制度を知っておく