ボーナスで住宅ローンの「繰り上げ返済」して大丈夫? ボーナスのおすすめの使い道とは?
ボーナスが入ると、「住宅ローンの繰り上げ返済にまわしたほうがいいのでは?」と考える方も多いでしょう。確かに、繰り上げ返済をすれば支払う利息を減らせますが、住宅ローン控除の減額や手元資金の不足といったデメリットもあります。では、ボーナスはどのように使うのが賢明なのでしょうか?   本記事では住宅ローンの繰り上げ返済のメリット・デメリットと、FPがおすすめするボーナスの使い道について解説します。

▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説

使い道1:住宅ローンの繰り上げ返済

住宅ローンの最長の借入期間は35年(注1)です。完済年齢は金融機関によって若干異なりますが、80歳までとしているところが多いようです。
 
ただ、いくら80歳まで借りられるといっても、会社員の場合、通常60歳までが年収のピークですので、ボーナスが出たときは、「期日短縮型」の一部繰り上げ返済を利用して、なるべく早く返済を済ませたいものです。
 
「元利均等返済」は、毎回の返済額が同じ返済方法で、多くの人が「元利均等返済」を選択しているでしょう。ローンを返済当初は、金利に充てられる部分が大きく、ローンの返済回数が増えるに従い、徐々にその割合が減っていきます。繰り上げ返済を利用することで、将来支払わなければならなかった金利を払わずに済むというメリットがあります。
 
なお、繰り上げ返済には、毎月の返済額を変えずに期間の短縮をする「期日短縮型」の他に、「期日据え置き型」があります。「期日据え置き型」は、期間はそのままだけれど毎月の返済額を少なくするというものです。将来、教育資金の負担などにより今よりも生活が厳しくなる場合に備えて、「期日据え置き型」を利用するのもよいでしょう。
 
住宅ローンの繰り上げ返済は、住宅ローンの期間を短縮できたり、毎月の返済額を減らせたりするというメリットがありますが、次の注意点があります。
 
(1) 住宅ローンを組んだときに条件が合えば住宅ローン控除(注2)を受けている人が多いと思います。住宅ローン控除の金額は、年末時点の借入残高に基づいて決定されます。したがって、一部繰り上げ返済を行うことで住宅ローン控除の金額が減少するので、その分、住宅ローン控除の恩恵を受けられなくなります。
 
また「期日短縮型」を利用する場合、当初の返済期間から返済期間が10年未満になった場合は、住宅ローン控除の適用が受けられなくなります。
 
(2) 金融機関によりますが、繰り上げ返済のときに手数料がかかる場合があります。
 
(3) 繰り上げ返済で住宅ローンは減りますが、手元資金が減ってしまいます。なかでも「期日短縮型」は、返済期間は短くなりますが、毎月の返済額が変わらないため、急にお金が必要になったときに困ることになるかもしれません。一度繰り上げ返済したお金は戻ってきませんので、十分に考えた上で繰り上げ返済を行いましょう。
 
(注1)金融機関によっては、他の金融機関との差別化を図るために50年まで借りられるプランを提供しているところもあります。
 
(注2)住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)の適用条件については、国税局のホームページ(※1)を参照してください。
 

使い道2:預貯金、資産運用