年収「1000万円」でも、税金を引かれると手取りは「約800万円」になります。同様に、定年時の退職金が「1000万円」の場合、税金はどれくらい引かれるのでしょうか?
「給与を受け取る際、税金を引かれて手取りが減ってしまうけど、退職金も同じくらい引かれるの?」と心配に思う人もいるでしょう。退職金の場合、給与とは税金の計算方法が違うため、手取りが同じ程度になるとはかぎりません。   そこで本記事では、退職金1000万円を一時金として受け取った場合の税金額について解説します。

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退職金にかかる税金

退職金を受け取った際は、税金が引かれる可能性があります。しかし給与とは税金の計算方法が違うため、給与と同等額の手取りにはなりません。また、勤続年数によっても控除額が違うなど複雑であるため、どれくらいの税金になるのかは人それぞれです。
 
ここでは、退職金が1000万円だった場合の税金額がいくらになるかシミュレーションしていき、引かれる税金の種類についても解説します。なお、退職金にまつわる税金は、勤め先が源泉徴収で納めますので、個別に確定申告する必要はありません。
 

退職所得の求め方

退職金からいくら税金が引かれるのかを知るためには、まず退職所得を求める必要があります。
 
退職所得の求め方は、以下のとおりです。
 
退職所得の金額=(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)× 1/2
 
退職所得控除額は、勤続年数によって以下の計算方法で金額を算出します。

●勤続20年以下……40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
●勤続20年超……800万円+70万円×(勤続年数-20年)

ここから、実際に退職金1000万円の退職所得がいくらになるか計算してみましょう。

【勤続年数10年だった場合】

●退職所得控除……40万円×10年=400万円
●退職所得……(1000万円-400万円)× 1/2=300万円