さくマガでは仕事のヒントを得るために、さまざまな方にインタビューをしています。今回お話を聞いたのは、技術ブログサービスQrunch(クランチ)を開発・運営していた照屋雄斗さん。Qrunchを始めた理由や、サービスクローズまでの葛藤についてうかがいました。

 

Qrunch(クランチ)とは

2018年10月に公開され2020年10月にサービスの提供を終えた「もっと気軽にアウトプットできる」をコンセプトとした、エンジニア向けの技術ブログサービスです。 

 

照屋 雄斗(てるや ゆうと)さん 

2020年10月31日にサービスを終了した、技術ブログサービス「Qrunch(クランチ)」を個人で開発。サービス企画・開発から運営、サポートまでをひとりでおこなっていた。2020年4月 株式会社ディー・エヌ・エーに新卒入社。

 

高専在学中にQrunch(クランチ)を立ち上げる

ーー本日はよろしくお願いします。まずはじめに、Qrunch を始めようと思ったきっかけについて教えてください。

 

エンジニアの誰もが気軽にアウトプットできる投稿サービスがほしい、と思って作り始めたのがきっかけです。

以前からQiitaをはじめ、エンジニア向けのサービスはいろいろとありました。ただ、どれも書いた記事の質は、コミュニティそのものが担保することになっていたんですよね。

 

例えば、初心者エンジニアが学習ログのように書いた記事の情報が間違っていたとしても、コミュニティの持つドメインパワーが強いせいで、Googleの検索上位に表示されてしまいます。そうなると、時には初心者エンジニアの方がコミュニティメンバーから叩かれてしまったりする。そういうケースが実際に存在していました。

 

そこで、それぞれが自分のドメインを持って、投稿されているコンテンツの質はユーザー自身が担保する形が本来あるべきだと思ったんです。

Qrunchはその姿を目指して、高専在学中の19歳で立ち上げました。
 

ーーQrunch立ち上げの際に、苦労したことはなんでしょうか? 

ありがたいことにリリースしてから、すぐに多くのユーザーさんに使っていただけました。その最中、1週間に渡ってDDoS攻撃※を受けてしまったんです。

※分散された複数の攻撃元が、大量のアクセスやデータを標的サーバーに送り、サービスを停止させるサイバー攻撃。

 

それにより、サービスの運営を不安定にさせてしまいました。その対応が一番苦労したことだと思います。その後、さくらインターネットさんをはじめ、いろいろな方のサポートがあって、ここまで続けてこられました。

当時は、もう運営ができないかもと思ってヒヤヒヤしていました。

Qrunch構築に使った技術

ーーQrunchはどのような技術を使って構築したのでしょうか?

サーバーサイドは Ruby on Rails です。フロントエンドはあまり知識がなかったので、JQuery を使ってざっくり実装しました。

ただ JQuery だとやっぱり重かったり、機能が増えてきたときに、管理が大変になってしまったんです。なので、ページ速度を向上させるために一部 turbolinks などのライブラリをカスタマイズして使用していました。

 

その後、部分的に Next.js に移行したり、いろいろと技術的には工夫というか、試行錯誤をしていました。

 

インフラ面については、リリース当初はお金が全然なかったので、ロードバランサーを1個用意して、その下にアプリケーションサーバーを2,3台並べるといったシンプルな構成で運営をしていました。
 

ーーさくらインターネットから「さくらのクラウド」提供の話をさせていただきましたが、どのような経緯でお話があったのかを教えてください。

先ほどの苦労した話にもつながるのですが、サービスリリース直後にかなりの勢いでユーザーが増えました。そのタイミングでDDoS攻撃を受けたりしたんです。結果的に、サーバーの台数を増やさなければいけなくなりました。当時は高専在学中で、資金もない状態でした。

 

そんな状況でクラウドプラットフォームを運営していくのは、サーバー費用的にも厳しい部分があったんです。そのようなことをTwitterでつぶやいたときに、さくらインターネットの方から声をかけていただき、サポートをしていただきました。

限られたリソースで運営を続けた

ーーQrunchの運営で苦労したこと、うれしかったことを教えてください。 

サービス企画、開発、運用、サポートまでをすべてひとりでおこなっていたので、手が回らずにユーザーさんにご不便をおかけしてしまったことが何度かありました。限られたリソースのなかでやりくりすることに、かなり苦労しました。

 

「Qrunch のおかげでアウトプットを始められた」と言っていただいたり、人によっては 「Qrunch がなければエンジニアとしての今の自分はない」という声までもいただくことがありました。それはとてもうれしかったですし、運営の励みになっていました。
 

ーーQrunchというサービス名の由来はありますか?

サービス名を Qrunch にした理由って実はあまりないんです。響きがよかったというのと、たまたまドメインが取れて使いやすかったからという感じです……(笑)。ちゃんとしたメッセージ性があればよかったですよね。
 

ーーちなみに、Qrunchの月間最大PVはどのくらいだったのでしょうか?

最大で、月に80万から90万PVくらいですかね。平均すると30万から40万PVくらいです。ユーザーさんに記事を投稿してもらっているので、右肩上がりになっていました。ユーザーさんの投稿記事がバズったりしたときは、ピンポイントでPVが上がっていましたね。