青色申告を行う個人事業主は、各種条件を満たすことで、「65万円」「55万円」「10万円」のいずれかの青色申告特別控除を受けられます。しかし、55万円以上の控除を受ける条件の1つにあるのが、「確定申告期限までに報告書を提出すること」です。
 
確定申告期限を過ぎると控除額が10万円に減り、所得税と住民税を合わせた税負担が大きく増加します。例えば、所得税率が5%、住民税率が10%の合計15%の税率で計算すると、55万円の控除減少によって8万2500円の負担が発生する計算です。
 
さらに、国民健康保険の保険料の計算に使う所得額も大きくなるため、保険料の負担も増えてしまいます。
 
こういったことを防ぐためにも、確定申告期限を守ることは大切なのです。
 

申告期限に間に合わせるためのアドバイス

前記した通り、確定申告は期限に間に合わせることが何より重要です。100%完璧なものでなくても期限内に出すことを優先しましょう。
 
最優先すべきは、売上(収入)の計算です。収入に漏れがあると過少申告となり、後から延滞税や過少申告加算税といったペナルティが課されます。報酬の振込口座や請求書などを確認し、ここだけは確実に漏れがないように仕上げなければなりません。
 
経費や控除の計上については、「時間が許す限りでいい」と割り切ることも大切です。もちろん全ての項目を完璧に整理するのが理想ですが、期限が迫っている場合は、多少の漏れがあっても申告自体を期限内に完了させることを優先します。
 
仮に経費が漏れていたとしても、「税金の払い過ぎ」になるためペナルティはないからです。また、確定申告期限後も5年以内であれば、漏れていた経費や控除を計上し更正の請求を行うことで、払いすぎた税金の還付を受けられます。
 

確定申告は期限を守ることが何より大切