「故人のスマホが開けられず、サブスクを止められなかった」と友人から聞きました。私の親も70代、デジタル終活はどのように進めたらいいですか?
Aさんの友人は最近お父さまを亡くされました。お父さまが使っていたスマホは、パスワードが分からなく中身を確認しないまま解約をしたそうです。   その後、クレジットカードの不明な利用を見つけ、カード会社に問い合わせると「解約したスマホのセキュリティのサブスクと思われる」とのこと。業者に問い合わせると、「ID・パスワードが分からない場合はすぐに解約できない」と言われて困ってしまったそうです。   私の70代の親もスマホを使っているので、ひとごとではありません。

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パスワードが分からなくてデジタル遺品が開けられない

スマホには、電話やメール、メッセージやビデオ通話といった通信機能の他、写真や動画撮影などの便利な機能があります。データも保存できて、必要なときに取り出し楽しめます。パソコンを使えない方でも、スマホがあればインターネットを利用でき、ネット通販、ネット銀行、ネット証券等など、さまざまな契約ができます。
 
亡くなった方がパソコンやスマホを使用していた場合、パソコンやスマホにはさまざまなデータや契約情報が入っています。葬儀の際に使える情報や相続財産になる契約など、「デジタル遺品」となったデータの確認をしなければなりません。
 
被相続人が亡くなられた時点で所有していた、金銭に見積もれるすべての財産が相続税の対象になるからです。交友関係や写真など、葬儀に関わる情報も必要になります。
 
しかし、遺族がパスワードを知らされていない場合、スマホやパソコンを開けることが困難です。
 
ここで、「デジタル遺品」に明確な定義はありませんが、国民生活センター令和6年11月20日の報道発表資料では、「デジタル機器を通して確認できるデータやインターネットで契約したサービス(アカウントも含め)を指し、パソコンやスマホなどのデジタル機器そのものは含まない」とあります。
 

契約情報が分からないと解約ができない