私も夫も58歳の2人暮らし、貯金「500万円」で2年後に定年を迎えます。持病で定年後に働くのは難しいのですが、年金の繰上げ受給を検討したほうがよいでしょうか?
定年を間近に迎える世帯の場合、老後資金をどのように捻出すべきか悩むことがあるかもしれません。今回のケースのように、病気や体力的な理由から定年後に働けない場合、収入面での不安はいっそう強いことでしょう。   貯金のみでは生活が難しい場合、年金の繰上げ受給を検討する手があります。しかし繰上げ受給にはメリットとデメリットがあります。本記事では、年金の繰上げ受給に関する概要をまとめました。

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年金の繰上げ受給の基本

日本年金機構によると、老齢基礎年金(国民年金)および老齢厚生年金は、原則65歳から受給できます。しかし受給資格を持つ人が希望するなら、60~65歳未満の間に繰り上げて受給することもできます。
 
基本的に老齢基礎年金・老齢厚生年金どちらかのみの繰上げ請求はできず、同時に繰上げ請求しなければなりません。
 
注意点として、年金受給には「10年以上の受給資格期間(保険料を納めた期間、もしくは免除された期間)」が必要となるため、人によってはそもそも65歳で受け取れない可能性があります。
 
本記事では65歳で受給できる人を想定して解説しています。また「特別支給の老齢厚生年金」については、本記事では割愛します。
 

繰上げ受給をするメリット

繰上げ受給をするメリットには以下のような点が挙げられます。


・65歳になる前に仕事をリタイアしやすい
・65歳前に年金が入り総収入を増やせる

今回のケースでは60歳で定年を迎えて収入が途絶えることを心配しているようですが、仮に60歳から繰上げ受給をすれば、退職後の収入源ができます。
 

繰上げ受給をするデメリット

繰上げ受給をするデメリットには以下のような点が挙げられます。


・国民年金の任意加入や保険料の追納ができず年金額アップの機会を失う
・繰上げ請求後は取消不可になる
・受給できる額が減額される