70歳でも年金だけで暮らせない父。応募したバイトは、まさかの「闇バイト」!? 親が「加害者」になってしまわないように、家族ができることとは
これまで「闇バイト」への従事は若者の問題とされてきましたが、最近では60~70代のシニア層にも影響が広がっています。2023年の国民年金の平均受給月額は受給資格期間が25年以上ある人で5万3000円~5万8000円となっており、厚生年金がない自営業者などにとっては年金だけでは生活が厳しいという状況が続いています。   本記事では、シニア層が巻き込まれる「闇バイト」の手口と、家族ができる具体的な対策を紹介します。

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1時間で8万円稼げる仕事? 父親が見つけた怪しい求人とは

東京都特殊詐欺加害防止サイトによると、「高価買取・簡単作業」といった言葉で興味を引き、実際には口座の買取を持ちかけるケースが確認されています。
 
一度口座を提供すると、特殊詐欺やマネーロンダリングに悪用される可能性が高く、提供者自身も犯罪収益移転防止法違反の疑いをかけられ逮捕されるリスクを伴うでしょう。
 
父親が見つけた「1時間で8万円」の求人も、この手口の一例でした。「簡単な手続きだけ」と安心させながら、知らぬ間に犯罪に加担させる巧妙な罠が仕掛けられているのです。
 

「ただの荷物運び」ではない? 運んだ段ボールの中身は現金かも

以前は若者が中心でしたが、最近では「年齢不問」とする求人が増え、50代以降のシニア世代が闇バイトに応募するケースも出てきているようです。
 
これは、特殊詐欺の「劇場型」手口が複雑化し、かけ子や受け子の役割が細分化される中で、高齢者のメンバーを必要とするケースが増えているためと考えられます。
 
注意すべきなのが、「荷物を運ぶだけ」「段ボールを届けるだけ」といった簡単な作業に見せかけ、実際には詐欺で騙し取った現金を運ばせるケースです。実際にあった例では、84歳の男性が特殊詐欺の受け子として約1600万円を受け取り、逮捕されました。2023年6月には懲役3年6ヶ月の実刑判決を受けています。
 

親が危険なバイトに応募する前に! 家族ができる予防策とは