「富裕層」という言葉をよく聞きますが、実際にはどんな人が当てはまりますか?基準はあるのでしょうか?
富裕層という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。富裕層の人は多くの収入があり、豊かな暮らしをしているイメージがあるかもしれません。しかし、富裕層という言葉の実際の定義や基準を知らない方は少なくないはずです。   そこで本記事では、富裕層の基準やその実態などについて解説します。

▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?

富裕層とは

富裕層という言葉は聞きなじみがあるかもしれませんが、明確な定義は存在していません。そのため、富裕層を定義する基準はその時々や、発信者次第で異なるといえるでしょう。
 
株式会社野村総合研究所では、純金融資産保有額別の世帯数や資産規模などを調査しています。そのなかで、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の階層を富裕層と定義しています。
 
同社によると、純金融資産保有額とは、世帯として保有する金融資産の合計額から、借り入れなどの負債額を差し引いたものです。保有する金融資産とは預貯金だけでなく、株式や債券、投資信託なども含まれます。
 
つまり、同社が定義する富裕層とは収入は関係なく、あくまで保有する資産額が基準になります。そのため、仮に収入がなくても、純金融資産保有額が1億円以上であれば、富裕層と定義できるのです。
 
なお、同調査では純金融資産保有額が5億円以上であれば超富裕層、5000万円以上1億円未満は準富裕層、3000万円以上5000万円未満はアッパーマス層、3000万円未満はマス層と定義されています。
 

富裕層の世帯数と割合

株式会社野村総合研究所が実施した同調査を参考に、階層別の世帯数とその割合を表1にまとめました。
 
表1

超富裕層 富裕層 準富裕層 アッパーマス層 マス層
世帯数 9万世帯 139万5000世帯 325万4000世帯 726万3000世帯 4213万2000世帯
世帯割合 約0.1% 約2.5% 約6% 約13.4% 77.8%