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医師の働き方改革とは
2024年4月から始まった医師の働き方改革は、時間外労働の上限規制(年960時間、特例で年1860時間)を改革の軸として、長時間労働の改善を目指し、医療の質の向上と安全を確保することを目的としています。
また、改革の推進を支援する第三者評価機関として「医療勤務環境改善支援センター」を設置し、表1のように医療機関は3つの水準(A・B・C)に指定されました。
表1
水準 | 時間外労働(年間) | 対象 |
---|---|---|
A | 960時間未満 | 一般の労働者と同程度 |
B | 1860時間未満 | 医師を派遣する病院と救急医療等 |
C | 1860時間未満 | 臨床・専門研修と高度技能の修得研修 |
厚生労働省「医師の働き方改革」より筆者作成
医師の労働時間の解消策
労働基準法による法定労働時間は、原則として1日8時間、1週間に40時間までです。しかし、医師の場合、緊急対応や手術、外来対応などで時間外労働が超過するケースも少なくありません。
厚生労働省の調査「長時間労働の指摘がある業種・職種の実態について(例)」によると、1ヶ月の時間外労働時間は「20時間~50時間以下」が31.5%と最も多く「50時間~80時間以下」が14.2%であることが分かっています。
医師の働き方改革は、時間外労働の見直しを基本とし、医療機関内のマネジメント改革、ICT技術の活用、地域医療提供体制における機能分化・連携、医師偏在対策の推進、医者のかかり方についての周知など、「医療機関、行政、患者」の3つの側面からの改善が必要とされているのです。