「高年齢雇用継続給付」をもらいたいと思っているのですが、支給要件は「定年」以外にもあるのでしょうか? 支給額や支給期間についても教えてください。
60歳以降も働き続けることを考えている方にとって、「高年齢雇用継続給付」は気になる制度です。   定年後も収入を維持するための重要な制度ですが、「定年」以外にも支給要件はあるのでしょうか。また、具体的にどのくらいの金額が支給されるのかなど、支給要件や金額、期間について解説します。

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高年齢雇用継続給付とは

2021年4月1日から、一部改正された「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」が施行されました。
 
主な改正内容として、定年が65歳未満である企業に対し「65歳まで定年年齢を引き上げ」「希望者全員を対象とする、65歳までの継続雇用制度を導入」「定年制の廃止」のいずれかの措置を実施することが義務づけられました。
 
継続雇用制度とは、本人の希望があれば定年後も引き続き雇用する制度で、定年でいったん退職として新たに雇用契約を結ぶ「再雇用制度」と、定年で退職とせず引き続き雇用する「勤務延長制度」が該当します。
 
しかし、体力低下などの理由から、賃金を定年退職直前と比べて50~70%に設定している企業が多いのが現状です。そこで、賃金の差を補うために「高年齢雇用継続給付金」が受け取れるというわけです。
 

高年齢雇用継続給付の支給要件

高年齢雇用継続給付の支給要件は、「定年後」というだけでなく、4つの要件を満たす必要があります。まず、雇用保険の被保険者期間は「5年以上」であることが必要です。過去に雇用保険に加入していた期間も通算して5年以上が必要になります。
 
次に、60歳到達時と比べて、賃金が75%未満に低下している必要があります。この「賃金」には、基本給だけでなく、賞与や各種手当なども含まれます。そして、年齢は60歳以上65歳未満と定められており、給付を受けられるのは60歳から65歳になるまでの期間です。
 
最後に、失業手当など他の雇用保険の給付を受けている場合は、高年齢雇用継続給付は利用できません。つまり、定年後も同じ会社で働き続ける場合だけでなく、転職して働き続ける場合でも、上記の要件を満たせば給付の対象となります。
 

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