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国民年金を二重納付するケースとは
国民年金を二重納付するケースとしては、前納制度により年金保険料をまとめて支払っている方が年度の途中で就職をしたり、納付書の再発行や支払い方法の変更などで間違えて同じ月の保険料を2回支払ったりする場合が挙げられます。
国民年金保険料は通常は翌月末までに支払いますが、前納制度は当月末振替など4種類に分かれており、支払い方法によっても納付額が変わる点が特徴です。支払い方法と前納の種類ごとの金額は表1のようになります。なお、表1の金額は令和6年度基準です。
表1
当月末振替 | 6ヶ月前納 | 1年前納 | 2年前納 | |
---|---|---|---|---|
口座振替 | 1万6920円 | 10万720円 | 19万9490円 | 39万7290円 |
口座振替以外 | 利用不可 | 10万1050円 | 20万140円 | 39万8590円 |
出典:日本年金機構「国民年金保険料の前納」を基に筆者作成
例えば、1年前納を口座振替で選択している方が年度の途中で就職をした場合、19万9490円のうち就職により厚生年金に加入した期間と被っている分が二重納付です。
もし前納や同じ月の保険料を2回払ったなどの理由で二重納付状態になったときは、該当する金額の還付を受けられます。先ほどの前納の例だと、厚生年金に加入した期間と1年前納で重複する期間分の還付を受けられます。
なお、国民年金保険料は一定ですが、厚生年金保険料は収入に応じて変動します。例えば、令和6年度の厚生年金保険料では、最も低い保険料(折半額)は月8052円、最も高い保険料(折半額)は月5万9475円となり、5万1423円の差です。
しかし、還付される金額はあくまでも重複した部分のみです。多く厚生年金保険料を支払っているからといって、重複期間の還付金額も多くなるとは限らない点は留意しておきましょう。