月をまたいだ入院は「思ったほど補助されない」と聞きました。「高額療養費制度」で結構な額が還付されると思っていたのですが違うのでしょうか?
高額療養費制度は同一月内の総医療費によって支給額が決定するため、月をまたいだ場合は注意が必要です。   本記事では、高額療養費制度の詳細と、月をまたいだ場合の支給額の違いについて解説します。月をまたぐと、どれくらいの負担増になるか知りたい人は参考にしてください。

▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?

高額療養費制度とは

医療費の負担をおさえて家計の負担を少なくすることが、高額療養費制度の目的です。月々の医療費負担額に上限が設定されることで、それ以上の負担をせずにすむでしょう。
 
しかし、高額療養費制度の利用にあたってさまざまな疑問点が浮かぶ人もいます。本項では、高額療養費制度の概要と、月をまたいだ場合についてなど詳細を解説します。
 

概要と対象

高額療養費制度は、同一月に払った医療費が収入に応じて計算した上限額以上になった場合に、上限を超えた部分についてあとで払い戻しを受けられる制度です。一度窓口で医療費を支払い、申請すれば還付されます。
 
事前に医療費の支払いが高額になるとわかっている場合は、マイナ保険証(健康保険証利用登録をおこなったマイナンバーカード)か、限度額適用認定証を提示する方法を利用してもよいでしょう。その場合、窓口負担額を自己負担額にできます。
 
高額療養費制度を利用できるのは、健康保険に加入しているすべての人です。年齢や年収によって上限額は違うものの、70歳未満で年収500万円程度の人であれば月の自己負担額は以下の式で求められます。
 
8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%
 
総医療費とは、保険適用前の金額です。月の総医療費が100万円だった場合の自己負担額は、8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円です。医療費に100万円かかったとしても、実質の負担額は8万7430円と、大幅に負担を減らせるでしょう。
 

月をまたいだ場合