もう少し年金額を増やしたいと考え、iDeCoの利用を検討している方もいるでしょう。iDeCoとは「個人型確定拠出年金」のことで、加入後は自分で決めた掛け金額を積み立てて運用します。
iDeCoの年金資産は、原則として60歳から受け取れ、受給開始の時期は75歳になるまでの間で選べます。ただし、60歳から年金資産を受け取るためには、60歳になるまでに加入期間(確定拠出年金の通算加入者等期間)が10年以上必要です。これが10年に満たない場合は、加入期間等に応じて受給可能となる年齢が繰り下げられます。
2024年12月からは、企業年金のうち確定給付企業年金(DB)・共済等の加入者における掛け金の上限額が月額最大2万円に引き上げられました。
これまでは確定給付企業年金(DB)・厚生年金基金・私立学校教職員共済制度などの他制度に加入している場合、iDeCoの掛け金の上限は月額1万2000円でした。そのため、人にもよりますが掛け金を最大8000円増やせる可能性が考えられます。なお、iDeCoの掛け金と企業年金の掛け金の合計額が月額5万5000円を超えてはいけない点に注意が必要です。
会社員・公務員などの方で、個人口座から掛け金を拠出する場合は、勤務先への申請が不要でiDeCoに加入できるようになったことも、今回の改正のポイントです。
老後資金の準備でiDeCoを活用するメリット
政府広報オンラインによると、iDeCoの活用には以下のようなメリットがあります。
・掛け金が全額所得控除
・運用益が非課税で再投資も可能
・受け取り時にも大きな控除
例えばiDeCoの掛け金が年間24万円で、所得税20%、住民税10%の場合、年間7万2000円の税金が軽減されるとのことです。また一般的な金融商品では、運用益に20.315%の税金が課せられますが、iDeCoの運用益は非課税で、再投資もできます。
受け取り時には、年金で「公的年金等控除」、一時金では「退職所得控除」の対象になるなど、大きな控除があるのもメリットです。