掛け金の上限額がアップした「iDeCo」は利用すべきですか?年金だけではとても「老後資金」が足りるとは思えません…。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、日本の平均寿命は昔と比較して着実に延びているといわれています。   寿命が延びると老後生活も長くなりますが「年金だけでは老後資金が足りないのでは」と心配する方もいるようです。公的年金に上乗せできる私的年金のひとつにiDeCo(個人型確定拠出年金)がありますが、近年では改正で掛け金の上限額が引き上げられ、利用しやすくなったとの情報も見られます。   そこで今回は、老後資金は年金だけで足りるかについて調査しました。掛け金の上限額がアップして利用しやすくなったiDeCoの概要および活用するメリットもご紹介しますので、参考にしてください。

▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説

老後資金は年金だけで足りる?

日本年金機構によると、令和6年度における夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は23万483円であるとのことです。
 
老後の生活費については、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考にできます。同調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における平均消費支出は月25万959円で、非消費支出の月3万1538円を足すと合計28万2497円です。
 
以上から、平均で見ると老後資金は年金だけでは5万2014円の不足が生じることが分かります。年金だけで不足する分は、定年後も仕事を続けて収入を得たり、貯蓄を取り崩したりして賄わなければならないでしょう。
 
しかしこれは、平均的な収入で40年間就業した一般的な会社員を例にしているため、将来もらえる金額は各家庭によって異なります。老後の家計収支は一般的に赤字になる傾向にあることを踏まえて、自身の老後生活をシミュレーションしてみることは大切です。
 

掛け金の上限額アップ! iDeCoの概要と改正ポイント