仕事のストレスで「うつ病」にかかって働けなくなり、貯金も「残り1万円」。もう「生活保護」を受けるしかない…?通院や生活に「車」が欠かせない場合、どうしたらいい?
仕事による強いストレスなどから、「うつ病」を始めとしたメンタルヘルス不調を訴える労働者が増えています。多くの企業は一般的に「ノーワーク・ノーペイの原則」に従うため、例えば今回の事例のように、うつ病で休職や退職を余儀なくされた場合、最初に直面するのが経済的な問題でしょう。   日本には「生活保護」というセーフティーネットがあります。しかし、生活や仕事に必須の車を手放せないことが原因で、必要な支援を受けられない方もいるようです。当記事では、生活保護で「車の所有」が認められない理由を解説します。

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生活保護では「車の所有」は原則認められない

前述の通り、生活保護では「車の所有」は原則認められません。そもそも「生活保護」とは、厚生労働省によると「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度」です。
 
保護の要件として「資産の活用」が定められており、預貯金や生活に使用していない土地・家屋などがある場合は、売却して生活費に充てる必要があります。車も「資産」に該当するため、生活保護を受けるためには売却して生活費に充てなければなりません。
 
「車の所有」が認められない背景には、生活保護制度の趣旨に反する以外にも、いくつかの要因があります。例えば、車を所有するには、ガソリン代や駐車場代、車検代、税金などの維持費が必要です。ローンで車を購入した場合は返済も必要ですが、生活保護費には含まれないため、生活保護受給者がこれらの費用を負担するのは難しいと考えられます。
 
また、車を運転しているときに万が一事故を起こしてしまった場合、損害賠償が困難という事実も、生活保護で「車の所有」が認められない理由のひとつです。
 
このような理由から生活保護では「車の所有」を認めておらず、生活保護を受給する場合は原則、車の売却を求められます。
 

状況によっては「車の所有」が認められるケースもある