風邪を引き、近所の総合病院にかかったところ「7000円以上」の請求が!簡単な問診と薬を処方してもらっただけですが、何かの間違いでしょうか?
発熱やせきなど軽度な体調不良でも、大病院を受診する方もいるはずです。大病院は高度な医療サービスを提供しているので、安心できると感じるでしょう。しかし、ただの風邪なのに7000円以上の高い請求額に驚いてしまうケースもあるといいます。   本記事では紹介状なしで大病院を受診すると初診時に発生する「特別の料金」についてまとめました。特別の料金が徴収される理由や、かかりつけ医を頼るメリットについてもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

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紹介状なしで大病院を受診すると初診時に「7000円以上」の「特別の料金(選定療養費)」がかかる

平成27年5月に成立した医療保険制度改革法により、紹介状を持たずに大病院を受診する場合には、特別の料金の徴収が必要になりました。さらに、令和4年度に診療報酬改定が実施され、令和4年10月から初診では7000円以上、再診では3000円以上に特別の料金の金額を改定しています。
 
そのため、簡単な問診と薬の処方だけでも、紹介状なしで大病院を受診すると7000円以上の請求額になるおそれがあるのです。
 
なお、大病院とは政府広報オンラインの説明を引用すると、「特定機能病院、一般病床数が200床以上ある地域医療支援病院、一般許可病床数が200床以上ある紹介受診重点医療機関」と定義されています。
 

大病院の受診時に「特別の料金(選定療養費)」がかかる理由

大病院の受診時に特別の料金がかかる理由は、医療機関の機能分化を進めて効率的な医療を提供するためです。
 
私たちが生活する街には診療所・クリニック・中小病院・総合病院・国公立病院などさまざまな種類の医療機関があり、求められる役割にも違いがあります。
 
例えば、診療所やクリニックは日常的な病気や軽いけがなどを中心に幅広い診療を受けられる場所です。一方、大病院はより高度な治療を専門としており、重い病気や深刻なけがを患った方が受診します。
 
基本的に大病院は診療所やクリニックなどからの紹介に応じて、専門的な医療サービスが必要な方を受け入れる医療機関です。
 
しかし、実態としては初診時に紹介状を持たない方の大病院の受診が目立ち、医療スタッフの負担が過重になっていました。本来であれば診療所やクリニックで診療できる方の対応も、大病院で実施するケースが増えていたのです。そうした状況を改善して大病院などの医療機関の機能強化を図るために、特別の料金の徴収が決定した、という経緯があります。
 

いきなり大病院には行かず、かかりつけ医に相談しよう