出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
私立高校に入学した場合に掛かる1年間の教育費は105万4444円でした。世帯年収600万円の教育費の平均額は93万円だったことから、平均よりも多く掛かることになります。
高校に入学した後、教育費として掛かるのは高校に支払う額だけではありません。大学受験をするのであれば塾や家庭教師・通信教育を利用する可能性もありますし、受験をしない場合でも、何らかの習い事をする可能性もあるでしょう。
さらに多子世帯の場合、子ども一人に多くの教育費を掛けてしまうと、もう一人にはあまり教育費を掛けられなくなってしまう可能性もあるでしょう。
私立高校に子どもが通っている家庭の年収分布
私立高校に通った場合、実際に掛かる教育費は平均額をオーバーしてしまいます。では、私立高校に子どもを通わせる世帯の年収は、600万円よりも多いのか確認してみましょう。
表2は総務省統計局の「令和3年度子供の学習費調査」を基に、私立高校に子どもを通わせている親の年収分布を表したものです。
表2
年収 | 割合 |
---|---|
400万円未満 | 12.2% |
400万円~599万円 | 16.1% |
600万円~799万円 | 21.4% |
800万円~999万円 | 19.5% |
1000万円~1199万円 | 12.9% |
1200万円以上 | 17.9% |
出典:総務省統計局「令和3年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
私立高校に子どもを通わせている親のうち、最も割合の高い額が600万円~799万円で21.4%を占めます。計算上は、年収600万円の家庭では、私立高校に子どもを通わせた場合、1世帯当たりの平均教育費をオーバーしています。
しかし、このデータから、オーバーしても何らかの対策をして通わせている家庭が多いことが分かるでしょう。
万が一教育費が足りない場合の捻出方法としては、生活費を工面する、貯蓄を切り崩す、各都道府県などが行っている就学支援制度を活用するなどが考えられます。今後子育てしていくうえで、どの程度の費用が必要となるのかある程度試算し、子どもの進学先を決める必要があるでしょう。