「同一労働同一賃金」ってどんな制度? 正社員の給料や賞与に影響はある?
2021年4月より、すべての企業で同一労働同一賃金が始まりました。2025年4月で4年が経ちますが「どのような制度なのか、まだよく分からない」という人もいるでしょう。   同一労働同一賃金は、簡単に言うと「正規」と「非正規」の間の不合理な待遇差をなくすための制度だとされています。そこで今回は、同一労働同一賃金とは何か、また正社員の給料が下がる可能性はあるのかについて解説します。

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同一労働同一賃金とは

「同一労働同一賃金」とは、企業内における正規雇用労働者(正社員など)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者やパートなど)の「不合理な待遇差」をなくすための制度です。
 
個々が望む雇用形態で、納得のいく待遇を得られるようになり、多様な働き方が可能になることを目指しています。具体的なポイントはおもに次の2点です。
 

4つの待遇差の解消

企業は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差をなくすために、次の4つについて対応が求められます。


・基本給:能力や経験・業績・勤続年数などに違いがなければ同一、違いがある場合はその差に応じた支給をしなければならない。

・賞与:同一の貢献をした場合は同一、違いがある場合はその差に応じて支給しなければならない。

・各種手当:通勤手当や出張手当などは同一の支給を行わなければならない。役職手当は、同一の役職には同一の、違いがあればそれに応じた手当を支給しなければならない。

・福利厚生・教育訓練:病気による休職や有給休暇などは、同一条件であれば同一の付与を行わなければならない。職務を遂行するうえで必要な教育訓練は、同一の職務内容の場合は同一の、違いがある場合はそれに応じた訓練を実施しなければならない。

自社が同一労働同一賃金を守っているかを確認する際は、上記の4点を意識するとよいでしょう。
 

待遇に関する説明義務