
▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
役職別に見た賃金額
厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、役職別で1ヶ月あたりの賃金は図表1の通りでした。
図表1
部長 | 課長 | 係長 | 非役職者 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 60万4100円 | 50万700円 | 38万2300円 | 31万1900円 |
女性 | 52万1000円 | 43万800円 | 33万5900円 | 26万300円 |
合計 | 59万6000円 | 49万800円 | 37万800円 | 29万1100円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況 (7)役職別にみた賃金」に基づいて筆者が作成
男性課長の月賃金を単純に12倍すると、年収は約600万円です。賞与が発生する場合は、さらに多くなると考えられるでしょう。
管理職の賃金が大幅にアップする理由
管理職の給与が大幅にアップする背景には、職務の高度な専門性とマネジメント能力が大きく関係しています。管理職には業務遂行に必要な専門知識だけでなく、チームを率いるためのリーダーシップや意思決定力が求められます。
専門スキルやマネジメント能力は長年の経験を積んで培われるものであり、組織の成功に直接的な影響を与えるため、報酬もその責任に見合った設定です。
例えば、IT部門の管理職には、最新技術の動向をいち早く把握し、それを効率的に活用できるように部下を指導する役割があります。また、営業部門の管理職には、市場のトレンドを読み取り、売上目標を達成するための戦略を立案して実行する力が求められるでしょう。
財務部門の管理職にも、企業の財務状況を的確に分析し、経営層に適切なアドバイスを提供する責務があります。管理職は、各分野の専門知識と部下を引っ張るマネジメント力を発揮して、組織の方向性に貢献する役割を担っているのです。
また、管理職には単に部下を管理するだけでなく、育成やチーム全体のパフォーマンスを高める責任が伴います。
プロジェクトの進行を管理し、適切な判断を迅速に下すことはもちろん、部下が能力を最大限発揮できるような職場環境を整えて成長を促す役割も担います。管理職の存在が組織の競争力を支え、結果として業績向上に大きな影響を与えるのです。
管理職は、部門の目標達成に大きく貢献することで組織全体の成功に直結します。組織の成果に貢献する度合いが高く、その責任の大きさに見合った報酬が用意されるため、管理職の給与は一般社員に比べて大幅にアップします。