大卒初任給は「20年前」と比べて10%アップ! 2024年で最も高かったのは「建設業」という結果に。今後も「新卒初任給」は上がり続ける? 推移を解説
人手不足や最低賃金の上昇の影響もあり、初任給を引き上げる企業が増えています。産労総合研究所の調査によると、2024年4月入社者に対し、初任給を引き上げた企業は前年比7.5ポイント増の75.6%にもなっています。これは1997年度調査以降で最も高く、27年ぶりに70%を超えました。   本記事では2024年の初任給額、産業別・事業所規模別の初任給、20年前や35年前と比べて、初任給はどの程度増えたのかについて紹介・解説します。

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2024年の初任給額と増加額

東京労働局の調査によると、2024年の学歴別求人初任給は以下のようになっています。

●大学卒:21万6500円(対前年+4000円)
●短大卒:20万2400円(対前年+2400円)
●高校卒:18万9200円(対前年+5900円)

2023年からの増加率は大学卒が+2.4%、短大卒が+1.2%、高校卒が+4.1%となっており、特に高校卒の求人初任給が大きく上昇していますが、高校卒の求人初任給の大幅な上昇は最低賃金の引き上げが大きく影響していることが考えられます。
 

産業別・事業所規模別の初任給

同調査によると、2024年における大卒者の平均求人初任給が最も高かった産業は建設業(22万7500円)で、最も低かったのは宿泊業・飲食サービス業(20万5700円)でした。
 
また対前年比で初任給の増額率が高かったのは運輸業・郵便業(+4.0%)、生活関連サービス業・娯楽業(+3.3%)、医療・福祉(+3.1%)となっています。一方で金融業・保険業は対前年比でー4.2%と初任給が大きく下がっています。
 
また2024年の事業所規模別(従業員数)の大卒者の求人初任給額は以下のようになっています。

●29人以下:21万5000円
●30~99人:22万円
●100~299人:21万6000円
●300~499人:22万円
●500~999人:22万2100円
●1000人以上:22万3000円