日本で「貯蓄可能額」が一番多い都道府県はどこ? 3位は「兵庫県」2位は「千葉県」という結果に!「給与額-消費支出」をもとに算出
一般的に、東京などの都市部に近くなるほどに給与額は上がりますが、比例して物価も上がり消費支出が上昇する傾向にあります。   それでは、給与から消費支出を差し引いて残る「貯蓄可能額」が多い地域や都道府県、つまり「貯蓄のしやすい地域・都道府県」はどこなのでしょうか。統計データを参考にしながら、推定してみます。

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都道府県ごとの平均収入額・消費支出額はどう調べる?

家計に関する統計データは、厚生労働省の発表している「家計調査」が参考にされることが多いのですが、これは統計処理上「都道府県ごとの平均収入額」が算出されていません。
 
そこで、都道府県ごとの消費支出額については最新版(2023年)の「家計調査(総世帯)」を用い、都道府県ごとの平均収入額については厚生労働省の調べによる「令和5年賃金構造基本統計調査」の最新版(2023年)を参考として、以下の式によって「貯蓄可能指数」を計算し、ランキング化していきます。


「収入指数」=各都道府県の所定内給与額/全国の所定内給与額×100

「支出指数」=各都道府県(県庁所在地)の消費支出額/全国の消費支出額×100

「貯蓄可能指数」=「収入指数」―「支出指数」

まず「収入指数」の全国ランキングを掲載します。(図表1)
 
(図表1)

筆者作成
 
「収入指数」上位には東京都、神奈川県、大阪府、栃木県、愛知県など東京近郊の県や人口の集中する地域が多く、人口の少ない地域は収入指数が低い傾向にあるようです。全国平均よりも収入が上回っている都府県は5つしかないということも印象的です。
 
次に「支出指数」の全国ランキングです。こちらは「都道府県庁所在地」(東京の場合は23区部)のデータとなっていることに注意してください。(図表2)
 
(図表2)

筆者作成
 
全国で最も収入が高い地域である東京は消費支出金額で3位となっており、1位は三重県(収入額は全国12位)という結果でした。
 
逆に収入額が全国3位であった大阪府の消費支出額は全国下位(47都道府県中38位)となっており、収入額が高くなるほど必ず支出額も高くなるわけではないことが見て取れます。
 

「貯蓄可能指数」全国ランキングは?