
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後は年金があれば問題ない?
総務省統計局の2023年のデータによると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実支出は1ヶ月28万2497円です。消費支出25万959円のうち住居費が占める割合は6.7%となっています。つまり、消費支出は住居以外の項目が多くなっており、住宅ローンを完済したからといって劇的に家計状況が良くなるとは言い難いでしょう。
老後の貴重な収入源の1つが、原則65歳から支給される老齢年金です。具体的な金額は個人の加入期間や納付する保険料額などによって異なるため一概にはいえませんが、日本年金機構によれば、ボーナスを含めた平均標準報酬額約43万円で40年間就業した場合、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は月額23万483円(2024年度)です。
今回のケースでは、仮に年金と老後の生活費が上記と同程度かかるとすると、毎月5万2014円の赤字となります。つまり、年金だけでは生活を維持するのは困難となるため、預貯金で補填(ほてん)したり年金以外の収入を確保したりしなければなりません。