電車の遅延によって遅刻してしまった場合、遅刻分は「減給」扱いになるのでしょうか? また「有給休暇」を使うことはできますか?
「電車の遅延で遅刻してしまった場合、会社での扱いはどうなるのか?」   通勤中の交通機関の遅延は、自分では避けられない問題ですが、遅刻扱いになってしまうと給料に影響が出るのかは気になるところです。遅刻による「減給」扱いや、遅刻分をカバーするために「有給休暇」を使うことができるのかについて、会社側はどのような対応をするのかを解説します。

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電車が遅延した場合の手続きについて

東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は、営業列車が運行中、当社線内で概ね5分以上の遅延が発生した場合、遅延証明書を受け取ることができるとしています。
 
この証明書には、該当路線で発生した最大遅延時間が記載されています。事故などで列車が運転できない場合や遅延が発生した場合、旅客営業規則に基づき、定められた範囲内でのみ対応してもらえるということです。JR東日本における主な対応は表1の通りです。
 
表1

状況 対応内容
きっぷ購入前(列車が運転できない場合) 運行できない区間を含むきっぷの販売を中止
既にきっぷを持っている場合
(列車が運転できない場合)
・旅行を中止した場合、運賃・料金を全額払い戻し
・途中で旅行を中止した場合、未乗区間の運賃を払い戻し
・運休した列車の特急・急行料金を全額返金
出発駅へ戻る場合
(列車が運転できない場合)
無料で出発駅へ戻り、運賃・料金を全額払い戻し
定期券
(列車が運転できない場合)
5日以上の連続不通時に限り、有効期間の延長または払い戻し
特急・急行列車が2時間以上遅れた場合 特急・急行料金の全額返金
乗り換え列車に間に合わず、到着時刻から2時間以上遅れる場合 途中で中止または出発駅へ戻る場合の対応は、列車が運行できない場合と同様
お得な特急・急行割引きっぷを利用している場合 商品によって払い戻し条件が異なるため、詳細は係員に確認