
▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
600万円の貯金で年金がもらえるまでの5年間は生活できる?
総務省統計局が発表している「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出は月平均25万959円とされていました。この金額を年間に換算すると301万1508円となります。
仮に、600万円の貯金があるとした場合、年間で301万1508円消費すると考えると、2年で貯金が底を尽きてしまう可能性が高いでしょう。そのため、定年後は何らかの形で収入を得なければならないと考えられます。
例えば、アルバイトやパートとして働きに出たり、定年後再雇用制度があるならそれらを活用したりするなどの方法があげられるでしょう。もし、このような選択肢が難しいのであれば、年金の繰上げ受給を検討するのもひとつの選択肢となるかもしれません。
年金の繰上げ受給とは
年金の繰上げ受給とは、希望者に対して60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて年金を支給する制度です。原則として、老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰上げ請求する必要があるものの、老後資金に不安を抱えている場合には、適した制度と考えられるでしょう。
年金の繰上げ受給は、受け取れる時期が早くなる点がメリットとなる一方、繰上げ受給の請求をした時点に応じて年金が減額されてしまう点に注意が必要です。繰上げによる減額率の具体的な割合は表1のようになります。
表1
年齢 | 昭和37年4月1日以前生まれの方 (ひと月当たりの減額率:0.5%) |
昭和37年4月2日以降生まれの方 (ひと月当たりの減額率:0.4%) |
---|---|---|
60歳 | 30.0% | 24.0% |
61歳 | 24.0% | 19.2% |
62歳 | 18.0% | 14.4% |
63歳 | 12.0% | 9.6% |
64歳 | 6.0% | 4.8% |