新幹線の「指定席」を取ったのですが、人と距離が近いのは苦手なので隣の席も予約したいです。料金さえ払えば「1人で2席」取っても大丈夫ですよね?
新幹線の座席は在来線よりゆとりを持って設計されているとはいえ、「人と距離が近いのは苦手」「隣に知らない人が座るのは苦痛」という方もいるかもしれません。また、大きな荷物を持ち込むために、1人分の座席ではスペースが狭いというケースもあるでしょう。   なかには、指定席を「1人で2席」予約し、座席を広く使ったり荷物を置いたりしたい、と考える方もいるようです。料金さえ払えば、指定席を1人で2席予約してもよいのでしょうか。そこで、当記事では指定席を「1人で2席」予約する可否や、大きな荷物の取り扱いについて詳しく解説します。

▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認

そもそも指定券は「1人で2枚」持っていても「1枚」しか使用できない

前述のとおり、何らかの事情で指定席を「1人で2席」予約したい、というケースもあるかもしれません。では、料金さえ払えば、1人で2席の予約は可能なのでしょうか。結論から述べると、たとえ指定席を1人で2席確保したとしても、1人あたり1席しか使用することはできません。
 
根拠となるのは、JR各社の旅客営業規則です。
 
例えば、東海道新幹線を運行する東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の「東海旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第147条第5項」には、「同一旅客は、同一区間に対して有効な2枚以上の同種の乗車券類を所持する場合は、当該乗車については、その1枚のみを使用することができる。同一旅客が、同一区間に対し有効な2枚以上の指定券を所持する場合についてまた同じ」という記載があります。
 
つまり、指定券を「1人で2枚」持っていたとしても「1枚」しか使用できないため、指定席を1人で2席占有することはできない、ということになります。
 

大きな荷物を持ち込んで座席に置くなどの行為もNG

冒頭で挙げたような「人と距離が近いのは苦手」「隣に知らない人が座るのは苦痛」というケース以外にも、大きな荷物を置きたいため、指定席を「1人で2席」予約したいという場合もあるかもしれません。前章で解説したとおり、指定券は1人1枚しか使用できないため、1人で2席確保し荷物を置くという行為もNGです。
 
そもそも新幹線に持ち込める荷物のサイズは決まっており、例えば東海旅客鉄道株式会社(JR東海)では手回り品のルールについて「携帯できる荷物で、タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ(長さは2メートルまで)以内、重さが30キロ以内のものを2個まで持ち込むことができます。(ただし、傘、つえ、ハンドバックなど身の回り品は個数に数えません。)」と述べています。
 

「特大荷物」を持ち込む場合は「特大荷物スペースつき座席」または「特大荷物コーナーつき座席」の予約が必要