
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後資金の基本的な考え方
確かに「老後2000万円問題」が話題になり、将来の備えについて考えるきっかけになったでしょう。ただ、この2000万円という数字は、すべての人に当てはまるわけではありません。Aさんの場合、独身で相続予定の実家があることを考えると、老後の生活費や資金準備の考え方も少し異なるかもしれません。
まず、「老後資金の基本的な考え方」を確認しましょう。以下の3点が重要なポイントです。
・老後の生活費:自分がどのような生活を送りたいかを基準に考えます。
・収入の見込み:公的年金やその他の収入を確認します。
・不足額の計算:不足する部分をどう準備するかを計画します。
具体的な数字を想定してシミュレーション
Aさんのように、実家を相続予定で住居費が不要な場合、生活費は大幅に抑えられる可能性があります。具体的な数字を想定して試算してみましょう。
<老後の生活費シミュレーション>
生活費(食費・光熱費・趣味・医療費など):月15万円
年間生活費:15万円 × 12ヶ月 = 180万円
公的年金(40年間就業し、年収350万円程度と仮定):月額12万円程度(年間144万円)
このように想定してみると、不足額が明らかになります。
年間不足額:180万円 - 144万円 = 36万円
老後20年と仮定:36万円 × 20年 = 720万円