非正規雇用の40代ですが、独身なので生活には困っていません。相続予定の実家もあるのですが、それでも老後は「2000万円」用意しないといけませんか?
非正規雇用で年収350万円の40代Aさん。独身なので特に生活に困っているわけではなく、相続する予定の実家もあり将来住む場所に困ることもないとのこと。   数年前に「老後2000万円問題」が話題になり、ウエブサイトなどで「2000万円では足りない」という情報も見て、誰もが2000万円を貯金しておかなければならないのか、疑問に思っているとのことです。

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老後資金の基本的な考え方

確かに「老後2000万円問題」が話題になり、将来の備えについて考えるきっかけになったでしょう。ただ、この2000万円という数字は、すべての人に当てはまるわけではありません。Aさんの場合、独身で相続予定の実家があることを考えると、老後の生活費や資金準備の考え方も少し異なるかもしれません。
 
まず、「老後資金の基本的な考え方」を確認しましょう。以下の3点が重要なポイントです。
 

・老後の生活費:自分がどのような生活を送りたいかを基準に考えます。
・収入の見込み:公的年金やその他の収入を確認します。
・不足額の計算:不足する部分をどう準備するかを計画します。

 

具体的な数字を想定してシミュレーション

Aさんのように、実家を相続予定で住居費が不要な場合、生活費は大幅に抑えられる可能性があります。具体的な数字を想定して試算してみましょう。
 

<老後の生活費シミュレーション>

生活費(食費・光熱費・趣味・医療費など):月15万円
年間生活費:15万円 × 12ヶ月 = 180万円
公的年金(40年間就業し、年収350万円程度と仮定):月額12万円程度(年間144万円)

 
このように想定してみると、不足額が明らかになります。
 

年間不足額:180万円 - 144万円 = 36万円
老後20年と仮定:36万円 × 20年 = 720万円