「県庁」で働く公務員は「市役所」で働く公務員より高収入?
地方公務員の中でも、「市役所」「県庁」の職員は、どちらも地域を守る大切な仕事です。とはいえ、両者の年収に違いがあるのかはあまり知られていません。   そこで今回は、市の職員と県の職員の仕事内容や年収を比較します。市町村と都道府県の中でもっとも年収の高い地方公務員もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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市役所と県庁の違い

まずは、市役所と県庁の違いを確認しましょう。仕事内容と平均年収について比較します。
 

市役所職員と県庁職員の仕事内容

最初に、それぞれの仕事内容を確認します。
 
市役所職員は、県庁と比べ、より地域住民に寄り添った仕事内容であることが多いです。例えば、次のような仕事があります。

●戸籍謄本や住民票、マイナンバーカードの発行
●市営の公園や動物園、道路の整備
●図書館や体育館などの施設管理
●上下水道の管理

県庁には行ったことがないけれど、市役所には行ったことがあるという人もいるでしょう。それだけ市職員の仕事は地域住民に近い仕事内容といえます。一方で県庁職員の仕事内容は、次のようなものが挙げられます。

●市区町村をまたいだ開発計画
●国の施策における各市区町村との調整役
●県立高校や県立特別支援学校の運営

県庁職員は、県民と接する仕事はそれほど多くなく、国と都道府県内の各市区町村などの間に立ち、パイプ役として働くことが多い仕事だといえそうです。
 

市役所職員と県庁職員の平均年収

仕事内容に違いがある市役所職員と県庁職員ですが、年収にも違いがあるのでしょうか。
 
表1は、総務省が発表している「令和5年地方公務員給与の実態」を基にした都道府県・指定都市・市・町村別の給与額です。職員の職種の中でも人数の多い、一般行政職で比較します。
 
表1

平均給与月額
(A+B)
平均給与月額
(A)
諸手当月額
(B)
年収
(ボーナスは含まず)
都道府県 40万7064円 31万9151円 8万7913円 488万4768円
指定都市 43万9873円 31万9668円 12万205円 527万8476円
40万2039円 31万5844円 8万6195円 482万4468円
町村 36万1255円 30万2172円 5万9083円 433万5060円