住んでいる場所によって協会けんぽの「保険料」が異なると聞きました。なぜ全国一律ではないのでしょうか?
「協会けんぽ」という健康保険に加入されている方もいると思います。協会けんぽの正式な名称は「全国健康保険協会」です。   健康保険の保険料の額は月給(=正確には標準報酬月額)に「保険料率」を掛けて計算します。ただしその健康保険料率は「全国一律」ではありません。都道府県によって異なるのはご存じでしたか?

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その差は最大1.07%……都道府県ごとの健康保険料率

協会けんぽの健康保険料率の平均は10.00%(5.00%*)です。健康保険料率が最も高いのは佐賀県の10.42%(5.21%)です。逆に健康保険料率が最も低いのは新潟県で9.35%(4.675%)です。その差は1.07%(0.535%)です。
(*:( )内の数値は、いわゆる労使折半により、給料やボーナスから天引きされる場合の2024年度の料率です)
 
佐賀県に続いて、協会けんぽの保険料率が高いのは福岡県の10.35%(5.175%)、大阪府の10.34%(5.170%)です。また新潟県に続いて、協会けんぽの保険料率が低いのは青森県の9.49%(4.745%)、沖縄県の9.52%(4.76%)です。
 

協会けんぽの保険料率は、どうやって決まるの?

では、都道府県ごとに異なる保険料率は、どのように決まるのでしょうか?
 
まず都道府県ごとに年齢構成や所得水準の差等を調整します。次いで都道府県それぞれの協会けんぽ加入者1人当たりの医療費に基づき計算します。つまり、医療費が増えれば、協会けんぽの保険料率が上がる可能性があるのです。
 

協会けんぽには、保険料率を下げる仕組みがある?

協会けんぽには保険料率を下げる仕組みがあります。「インセンティブ(報奨金)制度」といい、都道府県ごとに評価します。2018年年度から導入しています。
 
具体的には、特定健診(※)の実施率を高めたり、後発医薬品(いわゆるジェネリック医薬品)の使用割合を高めたりするなどの取り組みを行うと、取り組みの成果を都道府県ごとにランキング付けします。そして上位15位の都道府県を対象に、翌々年度の保険料率を引き下げる、というものです。
 
(※)特定健診とは、40~74歳の人を対象に行う、メタボリック症候群に着目した健康診断です。
 

私の健康保険(協会けんぽ)は、どこの都道府県?