60歳になり「終の棲家」を探しています。「住宅型有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」の違いって何ですか?
高齢になると配偶者に先立たれ独居になったり、介護が必要になったりします。そのとき、子どもがいても頼れない場合があります。子どもがいない場合や子どもがいても頼れない場合、最後まで安心して暮らす終の棲家を考えることが大切です。   この記事では、終の棲家として 「住宅型有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」について解説します。

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サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サ高住は、日常生活や介護に不安を持つ60歳以上の高齢者のために、居室の広さ(1戸あたりの床面積は原則25平方メートル以上)や設備(台所・水洗便所・収納設備・洗面設備および浴室)の設置、バリアフリーといったハード面の条件を備えるとともに、ケアの専門家による「安否確認」と「生活相談」サービスを提供する高齢者向け住宅です。
 
法が定める「安否確認」や「生活相談」以外に、食事・家事支援のサービスや介護サービス事業所の併設など、さまざまなサービスを任意に提供するタイプのサ高住もあります。サ高住の登録件数は、2024年10月末で8318件(28万8647戸)あります。
 
入居者が要支援や要介護になった際は外部の事業者の介護サービスを利用します。利用料金総額(家賃+共益費+基本サービス相当費+食費+光水熱費)の目安は平均約14万円(そのうち家賃分は約6万円)です。
 

有料老人ホームとは

有料老人ホームは、食事の提供、洗濯・掃除等の家事の供与、介護(入浴・排せつなど)の提供、健康管理のうち、いずれかのサービスを提供している施設をいいます。1戸あたりの床面積は原則13㎡以上です。
 
有料老人ホームには「介護付」「住宅型」「健康型」の3つががありますが、そのほとんどが「介護付き」と「住宅型」です。
 
「介護付き」は、都道府県から「特定施設入所者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームをいいます。特定施設入居者生活介護とは、特定施設に入居している要介護者を対象として行われる、24時間態勢で、日常生活上の世話、機能訓練、療養上の世話のことをいいます。
 
ホームのスタッフがサービスを行う「一般型」と、外部の事業者の介護サービスを使う「外部型」があります。「外部型」ではケアプラン作成や安否確認などの基本部分だけを行います。
 
「住宅型」ホームは、食事や生活援助サービスを提供する比較的自立した高齢者向けの施設です。介護が必要になったときは外部の事業者の介護サービスを利用します。居宅介護の場合と同様に、必要なサービスを自由に組み合わせて利用できます。
 
有料老人ホームの契約形態には、「利用権方式」「建物賃貸方式」「終身建物賃貸借方式」がありますが、大半が「利用権方式」です。
 
有料老人ホームの利用者の負担は、入居金一時金(前払金)と月額費用(主に家賃、食費、管理費)があります。入居金一時金には償却期間が定められており、償却期間が終了する前に退去した場合は、未償却部分が返還されます。また、入居して3ヶ月以内に退去する場合は、前払金の全額が返還されます。
 
入居者が要支援や要介護になった際、「住宅型」は外部の事業者の介護サービスを利用します。「介護付き」は特定施設入居者生活介護を利用します。
 
あくまで目安ですが、「介護付」の場合、入居一時金が平均約3700万円、月額約17万8000円、「住宅型」の場合、入居一時金が平均約3350万円、月額約20万2000円となっています。
 

その他、住宅型有料老人ホームとサ高住の違い