
▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
最新の平均年収はいくら?
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、令和5年の1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は約460万円です。内訳は図表1のとおりです。
図表1
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査 より筆者作成
正社員と正社員以外、男性と女性とでは平均年収に200万円~300万円ほどの差が見られます。特に正社員以外の平均給与は200万円台と、正社員に比べて待遇には大きな差があります。また、全体の平均給与の伸び率は0.4%で、前年からは大きく変わっていないことが分かります。
一昨年ごろまでは新型コロナウイルスによる収入減が影響していると考えられ、給与が上がったというよりは「コロナ前に戻った」という実感の人もいるでしょう。令和4年分の調査では平均給与の伸び率が2.7%だったことも考慮すると、令和5年分の調査では給与の伸びはやや物足りない数字といえるでしょう。
平均給与の推移を検証
では、平均給与の推移を見てみましょう。令和元年から令和5年までの5年間で、男女の平均給与は図表2のように変遷しています。
図表2
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査 より筆者作成
令和2年は新型コロナウイルスの影響もあり、平均給与は男女ともに減少しました。しかし、令和3年には大きく上昇し、以降も伸び続けています。令和5年の平均給与額は、直近10年では最も高い数字であり、少しずつではありますが給与が増えてきていることが分かります。
にもかかわらず、私たちの生活は苦しいままと感じている人が多いのではないでしょうか。本来、給与が増えれば生活にゆとりが持てるはず。なぜ私たちの生活は「よくなった」という実感が湧かないのでしょうか。
これは、物価や実質賃金の伸びが影響していると考えられます。次節で物価や実質賃金の上昇率を確認してみましょう。