
▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
日本の公的年金制度について
日本の公的年金制度は「2階建て構造」と呼ばれ、老後の生活費を段階的に支える仕組みになっています。
第1階層にあたるのが「老齢基礎年金」で、これは日本に住む20歳以上60歳未満の人が加入する国民年金によって支えられています。老齢基礎年金は主に自営業者や専業主婦(夫)、フリーランスなどの国民年金加入者を対象としていますが、会社員や公務員も含め、20歳以上の国民全員が加入することになっています。
第2階層は「老齢厚生年金」で、厚生年金保険に加入している会社員や公務員が対象です。厚生年金は報酬に応じて保険料が決まる「報酬比例型」で、収入が多い人ほど多くの年金が支給される仕組みとなっています。
この2階建て構造により、すべての人が老齢基礎年金を基礎に受け取りつつ、会社員や公務員など給与所得がある人は老齢厚生年金を上乗せして受け取ることができ、より安定した老後資金を確保できます。
基礎年金と厚生年金の満額とは
次に、老齢基礎年金と老齢厚生年金の満額について見ていきましょう。
■老齢基礎年金の満額
老齢基礎年金は、国民年金の加入期間である20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)の保険料をすべて納めると満額を受け取ることができます。令和6年度の満額は年額81万6000円(月額6万8000円)で、この基礎年金額は、収入や職業に関係なく一律の金額です。納付期間が足りない場合や免除を受けた期間がある場合は、その分が減額されます。